◇お客様からの叱責
12月号制作中、さまざまな吉報があった。同社は別会社で「アドガリヤ」という広告代理店を運営しており、地元テレビCMなども数多く手掛けている。代表作といえば天国社のCMだろう。「まだまだ逝かない天国社」というフレーズは、福岡に住んでいる人ならば一度は耳にしたことがあるはずだ。長澤社長はこれ以外でも、地元テレビCMを数多く手掛けてきたことでも知られている。
そんな同社の新CMが11月、お茶の間に流れた。福岡市を中心に居酒屋を運営している「ふとっぱら」のCMである。それも、日本中が注目した亀田対内藤の世界タイトルマッチの番組中であった。音楽が前出・天国社のCMソングを歌っていた木原慶吾&SPIRITSの歌声であったことから、CMを見た関係者の多くは、長澤社長の姿が頭に浮かんだそうだ。これを見て“ガリヤも元気でやっている”ということをアピールできた。心身ともにボロボロになりながらも、長澤社長にとっては、とても励みになったはずだ。
しかしながら、12月号の制作に没頭したことで、翌1月号の仕込みが不十分となる事態も発生した。いつも広告を頂いていたクライアントに訪問する暇がなかったのだ。これにより、長年ガリヤに広告を出し続けていた、とある店舗のオーナーに叱責を受けた。
「なんで1月号の募集に来てくれなかったんですか!うちのお店はガリヤさんのおかげで大きくなったんですよ!広告を載せてくれなければ困ります」と。お叱りを受けた長澤社長は申し訳ないという思いの反面、嬉しさがこみあげてきた。
「世の中に、街の中に、ガリヤを必要と思ってくださる人がいることがありがたかった。この仕事をあきらめずにやっていて良かった」と振り返る。
12月号を無事発行したあとも、1月号、2月号と順調に発行できた。しかしながら、少人数体制で発刊しているため、以前のようなページ数は維持できない。今年の2月号は36ページ。全盛期のガリヤを知っているクライアントや読者からすれば、物足りないものである。
しかし、長澤社長は前向きに物事を考える。「うちの強みはオフィスマガジンである事です」。
【朝倉】
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