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住宅・不動産

工務店が語る 住宅に関する顧客志向(1)
住宅・不動産
2010年2月19日 11:24

 福岡市近隣のある工務店の代表は「マンション購入より戸建や建売など一戸建てのニーズはまだ掘り起こしが出来る」と語る。続けて「予算的には景気の動向に反映して、よりリーズナブルな住居を希望されている方が、安心・安全なより高品質を追求した住まいより、感覚値であるがやや多い感がある。50年、100年後世代々住める家を造って欲しいというオーダーは本当に稀である」と、現在の顧客志向について所感を述べた。
 
 しかし国は長期優良住宅先導的モデル事業を推進している。大量生産型からストック型の住まいの提供が今の流れではないだろうか。そう問いかけると「施工・販売側も手続きなど手間ひまが掛かり、時間的コストと共に材料費などの原価も当然ながら上がることとなる。それ相応の品質でも坪単価60~70万円、より良質で長く住むための家ならば坪80~100万円のコストを要するであろう。長い目で見れば住み続けられる事でコストパフォーマンスは結果的に良いのであるが、坪90万、100万円投じてまで造ることに対して顧客はかなり消極的だ。ストック型社会を推進してもエンドユーザーの収入が上がらないことには…。よって中小零細の工務店は、顧客からのオーダーが無い限りコスト高の住居を施工・販売しない。そうした事例は皆無に等しいのが現状である」と前出の代表は回答した。

 古来の住まいに対する価値観である“その土地に長く住み、手入れをして大切にする”ということよりも、今は家族内の生活環境やライフスタイルが優先されている。特に仕事や買い物など日常生活のサイクルに対してより高い利便性のある地域に移動し、その度に住空間を変える傾向が強いという。現に「糸島市の一部は過疎化に近い状況で、昔の住まいはたたんで都心部へ移り住む人々が増加している」と同代表は語る。「まだまだストック社会という意識はエンドユーザーの中では理解はしていても、実際行動に移すことは極めて少ない。日々忙殺されている毎日で、家でのんびりくつろぐというより飯を食って、寝るだけのスペースとなっている。だから低予算で利便性とセキュリティが最優先された住まいが選ばれる。それは住まいの本質から程遠い。だがそれが現実である」と続けた。

(つづく)

【河原 清明】


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