八女堆肥センターに融資した2億円について、やまやコミュニケーションズは「あっという間に底をついた」と語っており、それが何に使われたか明細が全く分からなかったという。
これに対して北島氏は「キタジマ食品からも八女堆肥センターに資金をつぎ込むことはあっても、八女堆肥センターの資金をキタジマ食品には流用していない。」としている。
やまやコミュニケーションズは「交渉の過程で少なくとも6,000万円については流用を認めていた」ことを指摘、八女堆肥センターの資金が流用されていたことが明らかになった。竹堆肥事業よりもキタジマ食品生き残りのために動いていたこと。そしてキタジマ食品の代表の座に自分が座ることが北島氏の目的だった。
諦めきれない北島氏は、破産手続開始決定後も一発逆転を期して、民事再生法の適用を模索した。管財人弁護士に猶予を求めスポンサーの獲得に向けて奔走した。「管財人も民事再生に理解を示し『頑張りましょう』といってくれていたのに、突然2月10日に従業員を解雇するなど手続きの執行を進めてきた」と北島氏はいう。
この件について、管財人は「再生を模索している場合、破産の業務執行を急げば再生を妨げることになる。その意味では通常より緩やかに業務執行をしていたことは事実」としている。また「頑張りましょう」という発言については「民事再生は申請代理人の仕事で管財人がかかわることでない」とした上で「北島氏の生活の糧が立ち行くような案が立てばよい」という趣旨だったことを説明。
そして、「仕入先・顧客までをワンセットとした譲渡の模索をしたが断念した」(管財人)としている。10日になって突然業務執行したことについては「10日が社員の給料日」。として給与支払いへ向けた策が講じられておらず、この日が最終リミットだったことを説明した。
最終的に、スポンサーが見つからず万策尽きた形で2月19日破産が確定した。
取材の過程で明らかになったのは、先のコンサルタントが指摘した通り、前向きな表現を並べ、自身に都合の悪いことには触れない。結果的に後で話が変わってくる。自身を巧みに「被害者」として装う手法だった。この間に中国産タケノコを国産と偽装したことが表化。かつての地場名士としての面影はなく、第3者による破産開始決定という結末に至った。
(了)
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