後期高齢者医療制度にからむ福岡県町村会による贈収賄事件で、福岡地検は23日、前副知事・中島孝之容疑者(68)を収賄罪で、県町村会長で添田町長の山本文男容疑者(84)と県町村会の前事務局長・笹渕正三容疑者(80)を贈賄罪でそれぞれ起訴した。
麻生渡福岡県知事は同日夕、起訴を受け臨時の記者会見を開いた。
会見冒頭で麻生知事は「中島前知事が贈収賄の疑いで起訴された。県政に対する信頼を大きく損なうことで、遺憾千万なこと。このような事件を引き起こしたことに対し、深く県民の皆様にお詫びする」と述べ、改めて謝罪した。任命責任も認めている。
さらに、町村会による接待問題に関して、調査したうえで必要な事実を把握し、処置や再発防止に全力をあげるとして、知事自身への処分も行うことを表明した。
記者団から中島被告への退職金支払いについて聞かれた知事は「起訴されたのだから退職金は払わない。退職金についての条例があり、払うという条件を欠いてきたと認識している」と発言し、中島副知事への退職金支払いを止めることを明らかにした。県の条例によると、起訴された時点で退職金支払いを停止、有罪判決確定で不払いが決まると規定されている。麻生知事の発言は、現時点では「支払い停止」の措置をとることを意味している。
自身の任命責任のとり方については、この問題に関する調査が終わり、職員に対する処置や再発防止策などを決める過程で、一連の措置として何らかの処分を課すとしたが、具体的にどのような処分となるかには踏み込まなかった。減給などの処分になれば、3月頃をめどに議会へ条例案を出すことを示唆した。
会見終了後、廊下に出た知事から、なぜか笑顔がこぼれた。
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