2月24日、深夜午前2時、同3日より中洲地区で実施されていた「客待ちタクシー・クリーン作戦」に伴う「タクシー配車社会実験」が終了した。同実験は、福岡県警と中洲地区安全安心まちづくり協議会、福岡市タクシー協会が協力して行なわれていた。
同実験では、午後10時から午前2時まで、中洲大通りほか、一部の区域を除いてタクシーへの乗車が制限された。さらに、中洲地区でタクシーが客待ちを行なうためには、タクシー・プールとなっているパチンコ屋の駐車場まで行き、許可証を得なければならなかった。プール内の待機時間は、午後11時40分に入ったタクシーで実測したところ29分8秒だった。ピーク時は、1時間ほど待機することになったという。
「中洲地区で蔓延化している深夜のタクシー混雑、その主な原因は、駐・停車禁止の道路で客待ちをするタクシーです」。同実験の最終日、国体道路沿いで規制指導をしていた警察官は、そう説明した。
中洲地区の国体道路及び明治通りは駐・停車区間であり、そもそもタクシーが客を乗せることができないのである。
また、同実験の内容に修正が見られた。タクシー・プールである駐車場へは、当初、裏手側のせまい路地を経由して入るよう誘導されていた。それが、国体道路から駐車場に入り、裏手側へ出るように変わった。修正理由は、出入の順番待ちをするタクシーが路地で渋滞を作ったためと思われる。
しかし修正後も、タクシー・プールに入るタクシーにより、国体道路で車の流れが滞る場面が見られるようになった。
「規制のために立つのは今日まで。もともと、(駐・停車禁止の)規制があるけど、また明日からタクシー渋滞が起きるだろうねえ」と、タクシー協会の規制指導員は実情を吐露した。一方で、規制を嫌がり、同実験が行なわれる時間帯に中洲地区を避けるタクシーも多かった。
タクシー渋滞の根本的な原因は、“交通ルールを守らない”タクシー及び利用者のモラルの低さである。しかしながら、現実的に改善していくためには法を守らせる努力(規制)をしなければならない。
決して“いたちごっこ”にならぬよう、同実験の結果を反映させた今後の取り組みに期待したい。
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