24日、福岡市教育委員会への取材で、東区内の公立幼稚園における園児の定員割れが2010年度も続く公算が高いことが分かった。市内全て(計7つ)の公立幼稚園では、08年に赤坂幼稚園(中央区)が定員を超えたことを除き、数年来、定員割れの状況が続いている。
東区にある公立幼稚園は、和白幼稚園と雁の巣幼稚園。09年5月1日の時点で、和白幼稚園が定員105名(1クラス35名)のところ76名、雁の巣幼稚園は定員85名のところ68名となっている。和白幼稚園においては、2010年度募集分の入園児も定員割れとなっており、現在、追加募集をしているところだ。
なお、定員数については、和白幼稚園の場合、設立された昭和30年から変更していない。一方、雁の巣幼稚園では、2002年に3歳児クラス(1クラス15名)を設置したことにより、昭和34年から変わっていなかった定員105名を85名へ変更している。
しかしながら、定員割れの原因については一概に少子化が原因と言えない。共働き率の増加といった家庭環境の変化も影響しているからだ。
福岡市の公立幼稚園では、園児教育の時間基準を4時間としている。また、送迎バスが無く、通園するには保護者による送迎が必要だ。たとえば、9時に登園した場合、14時に子供を迎えに行かなければならない。さらに給食が無く、昼食は持参となっていることも共働き家庭には、厳しい条件となっている。
同教育委員会によると、「子供を幼稚園へ通わせることを希望する保護者は、各幼稚園の教育理念等をよく吟味して選択している」という。少々遠方からでも、毎日送迎して通園させる保護者も少なくはない。また、私立幼稚園のなかには、“預かり保育”を実施し近年の家庭事情を配慮しているところもある。
福岡市幼稚園連盟・東区支部長の私立さくら幼稚園園長によれば、「開発が進んでいる地域では入園児が年々増えている」という。
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