太平洋セメント大分工場の佐伯プラントがセメント生産中止を2月23日に発表してから3日が経過した。現在の佐伯市の状況について取材を行なった。
佐伯駅周辺のサービス業関連企業、金融機関、運輸会社は、今回の佐伯プラントのセメント生産中止を受け、「それは、地元経済において大損失であることは間違いない。今でも不況の町であるのに太平洋セメントまで撤退すると益々市を取り巻く環境は悪化の途を辿るであろう」と、口を揃える。その言葉には、事態の深刻さが表れている。
佐伯・土佐(高知)・秩父(埼玉)の3拠点でセメント生産が中止される。関係者の話によると「最初に候補となっていたのは佐伯と土佐そして岩手県の大船渡であった。だが『大船渡は(太平洋セメントの)現代表の最初の着任地であったことから愛着があり、生産中止の対象から外れた』とも太平洋内部で言われている。今回より以前から佐伯は整理の対象であったことは確かである」と語るのは、太平洋セメントの協力下請会社代表。
続けて「23日の4~5日前から協力企業内でそろそろ発表されるということは言われていた。佐伯の市長も知っていただろう。にもかかわらず21日の日曜日に行なわれた県内1周大分合同駅伝の応援に、市のバスに乗って行った。駅伝の応援も大切であるが、市のトップとして最悪の事態に陥りかねない時に、何ということだ?結果はどうあれ、太平洋セメントの社長と面談して陳情するなど何らかのアクションが必要ではないだろうか?高知市の市長は、すぐに太平洋セメントに陳情に行ったよ!」と語った。
今回の生産中止が佐伯に大きな影を落としていることは、確かであった。
【河原 清明】
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