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コダマの核心

2010年は激変してこそ残る(26)~人間・組織は過去を超えられないのか(4)
コダマの核心
2010年2月26日 12:46

資格士ビジネスの受難(前)

<2,000位は無能か>

 筆者の学生時代には司法試験に合格する数字は500人であった。田舎の国立大学の法科で司法試験に合格するのは2年に1名というのどかなペースであった。だが、司法試験に挑む友人・知人は人生をかけた命がけの闘いである。青春を投げ打って得た弁護士のポジションを依頼人から預かった金の流用で資格を剥奪された友人もいた。15年の挑戦も空しく合格できず司法書士に甘んじて故郷に帰った。田舎には弁護士の空白地域がある。その為にこの友は都会の弁護士以上の質の高い仕事をこなしている。量も多く多忙だ。この男はいまの2,000人ラインであったなら当然、パスしていた。
 現在、司法試験の採用枠が2,000人に拡大されてきた。「国民に広く平等に法の庇護を受けられるシステム構築」という美名の下に弁護士増員政策が推進されてきた。2,000人の枠は様々な弊害を生じている。例えば福岡県弁護士会に新規登録者は1年に10名程度であったのが、50名近くに増えてきた。経済縮小の時代に弁護士ビジネスの市場も減る。結果、新規参入の弁護士が飯を食えないような前例のない異様な状態が発生している。
 新人弁護士はすぐには独立できる余地がない。イソ弁としてどこかの事務所に就職する。その受け皿が枯渇した。弁護士会の就職斡旋担当者も「昨年まで無理を承知で押し込んだ。2010年はお手上げ状態だ」と嘆く。「昔、2,000位で落第した方と現在の拡大枠2,000位で資格を得たのとどちらが優秀なの?」とこの弁護士に意地悪な質問をした。「同レベルでしょう」と回答があったから「粗製乱造の質的悪化の資格士は経済的に苦しんでも仕方がないでしょう」と反論していた。従来の待ちの姿勢では弁護士も生計が厳しくなるだろう。

<悪辣弁護士が続出>

 「待ちの姿勢」で食えなければ新たな努力が必要だ。専門分野のスキルを深掘りするのも一策である。しかし、存在をアピールすることが求められる。そうなると企業向け、世間向けに勉強会・研究会を組織して対外活動が重要になってくる。要は自ら仕事を創出する、取ってくるこの能力がクローズアップされる。2,000人がさらに3,000人体制へ拡張されるかどうか定かではないが、競争激化は業界を活性化させて結構なことだ。
 前向きに仕事を取りきれない弁護士の中には悪に化けていく輩が登場してくる。多重債務者救済名目に悪辣ぶりを発揮して暴利を貪り脱税に及んだ者もいる。多重債務者の無知をつけ込んだのだ。続いてターゲットにしているのは労働審判の煽りである。労働法を無視した札付き悪辣搾取経営者に制裁を浴びせるのであれば社会的行為として弁護士も名誉を浴びてよい。ところが「悪気があったわけでもない会社を極悪人に仕立てて労働審判を連発させて稼ぎまくろう」という悪徳弁護士も現れだすであろう。破産確定であったはずの丸美を民事再生法に逆転させた弁護士は東京で悪評を背負った人物だ。確信犯である。破産になれば儲け損なうから必死だっただけの話である。

(つづく)

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