2日、福岡県町村会から裏金接待を受けていたとされる中島孝之前副知事が収賄の疑いで逮捕された。後期高齢者医療制度の運営を行う「福岡県後期高齢者医療広域連合」設立にあたり、町村会側の求めに応じ便宜を図ったとされる。
県ナンバー2の逮捕という事態を受け、麻生知事は同日夜11時30分から緊急記者会見を開いた。冒頭、「大きな衝撃を受けている。副知事が収賄、贈賄側は山本さん(町村会会長)で、2人の関係から贈収賄事件になってしまったことは極めて遺憾」と述べた上で、「私の部下が職務に関して収賄をしていた。任命責任はあると思っている」として自らの任命責任を認めた。
全国知事会の会長や知事職辞任といった責任のとり方については「考えていない」と突っぱねたが、10年近く「右腕」(県関係者の証言)として仕えた中島前副知事の収賄での逮捕に動揺は隠せなかった。
鳩山政権の方針で廃止が決まっているとはいえ、後期高齢者医療制度への信頼を失わせる事件。さらに贈賄側として逮捕された山本文男添田町長は、知事とともに地方3団体(全国知事会、全国市長会、全国町村会)のひとつである全国町村会会長として分権社会の推進役を担ってきた。事件の衝撃は計り知れない。
4期目途中の麻生知事に対し、政治責任を問う声が高まることは必定と見られ、県政運営にも大きな影響が出そうだ。
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