党の再生が問われている自民党にあって、同党福岡県連の改革プロジェクトに携わっているのが鬼木誠県議会議員(福岡市中央区選出)である。自民党のホープと言われる鬼木県議に話を聞いた。
―現在は文教委員会の副委員長をされていますね。
鬼木 私は常々「良い政治家と良い国民を作りたい」と言っています。社会の根幹にあるのは教育です。教育を充実させれば国民の政治関心は高まり、また選ばれる政治家の質も良くなります。
―福岡の教育をどのように捉えていますか?
鬼木 2009年4月に文部科学省が実施した全国学力テストにおいて、福岡県の順位は40番台でした。細かく見てみると、県内における学力の地域格差が広がっていました。たいへん憂慮すべき状況です。学力低下には、学校、教師、家庭や社会の環境など、さまざまな要因があると見ています。改善するためには、社会全体で取り組まないといけない。
そのために文教委員会は、学力テスト1位の秋田県へ管外視察に行きました。行ってみて分かりましたが、秋田は家庭環境が良いですね。両親がいなくても、おじいちゃんかおばあちゃんか、必ず誰かが家にいます。子供が一人になることが少ないのです。さらに学校では、家庭学習に力を入れていました。1年生は10分、2年生は20分というように、家での勉強を学年別で徹底してやらせています。
ちなみに次は、学力テスト2位の福井県に行くことを予定しています。実は福井は、共働き率が全国1位の県でもあります。どのような教育がされているのか。意味のある視察をして、福岡県の教育に反映させたいと考えています。
―自民党福岡県連の青年局長として、現在の取り組みを教えて下さい。
鬼木 民主党政権の政策において、おかしいところを指摘し、訴えています。とくに、最近よく使われている『地域主権』という言葉に危機感を持っています。主権とは、最高・絶対の権力であり、それを主張すべき単位は“国家”なのです。主権の意味を分からずに使っていることを危惧しています。
私は、地域のことは地域が決めるという『地方分権』には賛成です。しかし、国家の主権が軽んじられているなかでの分権議論は、ともすれば国をバラバラにしてしまう恐れがあります。外国人参政権のことも考えると、民主党の唱える『地域主権』は、たいへんな危うさをはらんでいるのです。そうした地方分権論も含め、今後も政治において警鐘を鳴らしていきたいと考えています。
一方で、先日行なわれた自民党の党大会では、3人の議長のひとりを務めました。議論はたいへん盛り上がり、とても有意義な内容でした。今後も国民の皆様からの信頼を回復できるよう、党の改革に力を尽くしていきます。
【文・構成:県政取材班】
鬼木 誠(おにき まこと) 1972年10月16日、福岡市生まれ。九州大学法学部を卒業後、95年に西日本銀行(現西日本シティ銀行)へ入社。03年、福岡県議会議員初当選。07年、再選を果たし、現在は県議会文教委員会の副委員長および自民党福岡県連の青年局長を務めている。
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