14日、民主党の小沢一郎幹事長が、福岡県久留米市で行われた地元首長や業界・団体との「意見交換会」と同党参院議員の国政報告会に出席した。
自身の資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部の事情聴取を受け、「不起訴」となって初めての福岡入り。同党福岡県連の各級議員らが勢揃いする中、午後2時半頃会場となったホテルに現れた。
国政報告会に先立って午後2時から行われた「意見交換会」には、久留米を中心とする福岡6区や隣接する福岡7区の大半の首長が出席(代理出席が1人)。その他、従来自民党を支持してきた業界・団体の関係者も参加した。交換会途中で来場した小沢幹事長は、参加者らと握手を交わし写真撮影。小沢氏の前にずらりと順番待ちの列ができた。参院選を前に民主党への忠誠を誓わせるかのような演出だったが、「最高権力者」としての威勢を見せ付けた。
小沢幹事長は、この後開かれた今夏の参院選で再選を目指す現職議員の国政報告会で、次のように語った。(以下、概略)
「政権交代から3か月。厳しい財政事情の中でどのようにマニフェストの内容を実現するかということと、全国から寄せられた要望・要請をどのように予算の中で配分すればいいのかという二つ問題に直面した。批判はあったが、皆さんの陳情をオープンの場で聞くため、全国の党支部や国会議員を通じて陳情を受け付けた。幹事長室という密室で決めたのでは決してない。
全国から寄せられた3400から3500もの要望・要請は、整理して政府に要請した。『コンクリートから人へ』というスローガンは『役所の存続のための事業はいらない』という意味だ。九州では新幹線など必要なインフラ整備はきちんとやる。地方交付税は元に戻したし、2兆円以上の交付金制度の創設も合意を見ている。役所のメニュー通りにしなければならない『補助金』とは違い、交付金は自主財源。地方のことは地方で決められるようにしていく。
子育て、教育、介護、医療といった要望は、予算に反映させた。今度の予算が実現すれば政権交代の意味を実感してもらえる。
なにより、革命的ともいえる我々の主張を実現するためには、今夏の参院選で絶対過半数を取らなければならない」
注目された自身の資金管理団体「陸山会」のことについては、一切触れることはなかった。
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