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注目の長崎県知事選挙 「政治とカネ」の影響顕著
社会
2010年2月19日 10:30

長崎県知事選挙のポスター 小沢民主党幹事長が、資金管理団体「陸山会」の土地購入にからむ政治資金規正法事件で不起訴になり、鳩山首相も国会で「偽装献金」を追及されるなか、長崎県知事選挙の結果に注目が集まっている。

 任期満了にともなう長崎県知事選挙は、今月4日に告示され7人が立候補。21日の投・開票日を目指し激戦を展開している。17、18の両日、長崎県内で知事選取材を行ったが、各陣営の意気込みをよそに、県民の反応はいまひとつ。昨年8月の総選挙時のような熱気は感じられない。しかし、「政治とカネ」の問題で厳しい視線を向けられる民主党にとっては、この夏の参院選を占う重要な戦いとなっている。

 選挙戦は、事実上、元県副知事の中村法道候補と、民主党推薦で元農林水産省改革推進室長の橋本剛候補の一騎打ちとなっている。
 中村候補の陣営幹部は「自分たちの知事は自分たちで作る。(民主党のように)知事候補を中央で作るのはおかしいし、政党が決めた候補に乗ることはない。民主党は『脱官僚』『地方主権』と言ってきたのに、全く反対のことをやっている」としたうえで「農政連や商工関係など34団体で立ち上げた選挙母体は46団体になった。自民党や公明党もその中のひとつ。新幹線など様々な課題を抱える中、『自分たちの知事は自分たちで作る』という訴えが浸透してきた」と語る。
 一方、民主党の推薦を受けた橋本候補の陣営は「中村陣営の選挙では、金子(原二郎・現知事)後援会がフル回転している。停滞する長崎県の状況を変えるには、新しい人材、新しい手法が必要だ。従来型の県政運営ではもうやっていけない。幸い、民主党所属の8人の県選出国会議員が最高の候補者を見つけてくれた。党や連合長崎、そして陣営がフル回転で票の上積みを図っていく。フレッシュなリーダーの下、県の再生を実現したい」とコメントした。
 
 戦いは中村候補と橋本候補の接戦とされてきたが、ここに来て中村陣営の組織力が目立ちはじめた模様。同候補が卒業した島原高校や長崎大学のOB有志らが活発に動くと同時に、正式推薦を控え、裏に回った自民・公明がラストスパートに入っている。民主党にとって「政治とカネ」の問題が逆風になっていることは明らかで、この点については各陣営が認めるところだ。推薦候補が敗れた場合、小沢幹事長の政治責任を問う声が上がる可能性は否定できない。

 同選挙は21日に行われ、即日開票される。

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