実は、複数の県議に対する事前取材で、「(委員会の)視察ごとに(精算された日当の余りを)もらったことはない。1~2年に1回、まとめてもらった記憶がある」と聞かされていた。前払いされたはずの1日19,200円の「日当」はどこに管理されるのか?なぜ精算までに1~2年もかかっているのか?だれが「日当」の管理を行なっているのか?この時点で、「日当」の支払いに至る流れに様々な疑いが生じていたのである。
「日当」の支払い時期について議会事務局へ詳細な説明を求めたところ、時期は委員会ごとに異なるが、各委員会で1~2年ごとに精算し、県会議員のもとへ返還される仕組みが採られていたことを明らかにした。県議に前払いされたはずの「日当」は、委員会担当の書記が預り、「通帳で管理していた」という。「県議への支払いは1年か2年に一度だと聞いた。『日当』はどうやって管理しているのか?」との質問に答えたものだ。
いったん県議へ支払われた形の金である以上、口座の名義人は県でも、議会事務局でもないはずで、その点を確認したところで「書記とは別の係長が口座を造って管理している」と認めた。これが「裏口座」発覚の瞬間だった。
「裏口座」ではないかと指摘したが、「県議の了解の下にやっているから問題はない」という。しかし、この間の問答で、口座の名義人が議会事務局の係長だとすれば、県議らに支払われた「日当」が、一度係長個人の「資産」となっているという現実も、議会事務局側は認めざるを得なかった。仮に係長が死亡した場合、それは相続と見なされるのではないかとの問いには答えることもできなかったのである。税金を原資とする金が、職員の個人口座で管理され様々な支払いに充てられているとすれば、それは完全な「裏金」ではないだろうか。
「裏口座」にどのような問題点があるのか、再度検証するとともに、識者の意見を聞いた。
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