福岡県議会が、委員会視察ごとに支払われる「日当」を議会事務局職員の個人名義口座に入金させ別の視察に流用するという「裏口座」管理を行なっていた問題で、役人OBからも「目的外支出」との批判が上がっている。
ある地方自治体の元幹部職員は、「ひとつの視察について、ひとつの行程があり、宿泊が必要であれば宿泊場所が決められている。日当であれ旅費であれ、視察に際して支給される費用は、その決められた視察の行程をこなすために支払われるもの。その行程通りに回り、決まったところへ宿泊し、余ったならば返金しなければならない。次の視察へ回す、などということは「目的外支出」に他ならない」と話す。
『福岡県議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例』によると、<(県議会議員が)公務のため旅行したときは、その旅行日数に応じて日額一万九千二百円の定額による旅費>が支給されると規定している。個々の議員に支払われた形となっている金は、条例上は「日当」ではなく「旅費」ということだ。前出の役人OBは、「旅費であればなおさら視察ごとの精算が行われるのが当然」と言う。
余った「日当」が繰り越され、次の豪華旅行の原資に充てられるという現状は、「裏口座管理」があればこそできることだ。役人OBが言うように、「目的外使用」ということになれば、監査請求の対象になってもおかしくない。
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