久留米工業高等専門学校は3月5日、NEDOの産業技術研究助成事業の一環として、同校 材料工学科の武藤浩行准教授がナノコンポジットの原料となるセラミック粉末や、化粧品などの新素材となるミクロ構造体を、所望する機械的特性・構造で創製できる新しい複合材料創製法の開発に成功したと発表した。
同技術は、母材粒子とナノ添加物の表面電荷をそれぞれ相反するようにプラスとマイナスに制御し静電吸着させることで、任意の機械的特性、電気伝導性、熱伝導性などを発現する新素材を作製できる。
汎用の高分子電解質により表面電荷を制御するだけのプロセスであるため、材料の種類(高分子、金属、セラミック)、原料粉末の大きさ(ミリ、マイクロ、ナノ)、形状(粒子、ゾル、ファイバー)などを選ばず、高純度な複合材料を低コストで創製可能としている。
今後同校では、この静電吸着複合技術の実用化を目指して生産性向上のための装置やシステム構築を進め、将来的には生体分野(多孔質人工骨、アパタイトナノコーティング)、電機分野(フォトニック結晶)などで広く利用される技術としても応用できることを目指すとしている。
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⇒久留米高専 Kurume National College of Technology
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