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現実味帯びる「小鳩」降板
社会
2010年3月 8日 08:08

 鳩山内閣の支持率低下が続いている。永田町のある民主党関係者は次のように話す。「小沢さんは、どこかの時点で幹事長を辞める。そのタイミングを見ているのだろう。そうしなければ夏の参院選は勝てない。最悪、鳩山総理も交代するかもしれない。民主党への逆風は、選挙区に帰った議員なら誰もが分かっている」。「小鳩」降板が、現実味を帯び始めているようだ。

 先月の長崎県知事選挙で現地取材した折、タクシーの運転手さんや飲食店主などに取材したが、候補者についての評価の前に、まず飛び出したのは鳩山首相や小沢幹事長への批判。
「鳩山さんのケースは誰が見ても『脱税』。ことが露見していなければ税金など納めていなかっただろう。なぜ総理大臣だけ罪を免れるのか。これでは税金を納める気などなくなってしまう。税務署も民主党も信用できない。小沢さんの『知らなかった』などもってのほか。秘書が億単位の金を動かして親分が知らないなどあり得ないでしょう」。(タクシー運転手)
「一票損した。民主党はパフォーマンスだけ。自民党よりたちが悪い」。(靴店経営者)
「地元経済は疲弊している。民主党は地方主権などと言っているが、やってることは小沢主権。なんでもかんでも民主党や小沢さんが承認しなければ通らないというもの。納税者は誰なんだと言いたい。民主党の候補に(票を)入れなければ予算を配分しないというのは脅迫と同じ」。(スナック経営者)

 政治とカネの問題については、言うまでもなく国民の多くが不信感を抱いたままだ。加えて、増幅しつつあるのは、民主党の政治姿勢に対する不満である。
 民主党議員の多くは、夏の参院選に向けての各地の集会等で、必ずと言っていいほど『予算』の話をしている。大半は《政権交代が実現した。予算は民主党が決める。民主党に票を集めなければ予算はつきませんよ》といった内容。確かに納税者への脅迫と思われても仕方がない。納税者としては「義務を果たしているのだからどの政党を支持しようと勝手ではないか」というのが普通。支払い義務を果たしているのに、政治的自由まで縛られるいわれはないのだ。民主党の現在の姿は、総選挙前とは明らかに違っている。暮らしのための税金ではなく、民主党のための税金になってはいないか。原点に返って考えるべきだろう。

 このまま政権支持率が下げ止まらなければ、参院選前に表紙を替える必要に迫られる。つまり小沢・鳩山の同時降板である。衆院選での大勝、悲願の政権交代から半年。民主党は大きな岐路に立たされている。

【秋月】

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