3月5日付のNET・IBで筑邦銀行の貸倒処理について公表した一例は下記のとおりである。
「筑邦銀行は3月5日、取引先である丸栄スクリーン(株)が3月4日付で銀行取引停止処分を受けたことに伴い、同社に対する債権について取立不能または取立遅延のおそれが生じたと発表した。
債権は貸出金等で2億1,500万円。取引先に対する債権のうち、担保、引当金などにより保全されていない部分については、2010年3月期に全額を引当処理する。なお10年3月期通期の単体ならびに連結業績予想の修正はない」。
この発表のなかから読み取れるものは、筑邦銀行は丸栄スクリーンの企業格付けを「破綻懸念先」もしくは「実質破綻先」と認定し、担保を除き保全されていない貸出債権に対して、既に貸倒引当金として積んでいたことを意味する。従って、焦げ付き債権の公表をしても、「なお10年3月期通期の単体ならびに連結業績予想の修正はない」となる。3月期決算の金融機関にとって決算修正を余儀なくされるのは、格付けが「正常先」、「要注意先」の予期せぬ倒産であり、神経を尖らす日々が続く。
【北山 譲】
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筑邦銀行 債権の取立不能または取立遅延のおそれ
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