福岡県八女市(三田村統之市長)が発注する工事入札で、100%をはじめとする高落札率が続出している問題について、入札までの流れを見てきた。
報じてきたとおり、談合の指標とされる落札率95%以上の入札が7割近くを占める八女市の状況からは、積算から入札までの過程で、業者に知られてはならないはずのない積算価格や予定価格が市役所内部から漏れている可能性が生じる。
まずは積算価格についてだ。積算価格そのものは、物価本や単価表を参考にして、各々の自治体で調整した金額をもとに積み上げられる。建設単価は流動的で、積算金額をピタリと当てることは極めて難しい。
八女市の場合、建設工事に関しはじき出された積算額は、入札の当日までに関係する職員の間を回覧され、決済される。100%や99%台といった入札額を実現するためには、この積算価格を知る必要がある。換言すれば、まず八女市では、この「積算価格」の漏えいが疑われるのである。
次に、積算価格を基に予定価格を決める際の掛け目についてである。八女市の場合、予定価格を積算価格の何割でいくか、その掛け目は、市長、副市長、課長によって決められる。積算価格を知った上で、掛け目が分かれば、落札率100%、99%台、98%台などといった数字は簡単に算出できるのである。市側から情報が漏れて、地場業者の談合を招来しているのならば、それは官製談合に他ならない。
八女市における入札の高止まり傾向は、市側から業者へ、情報が漏れた可能性が否定できない。市側に話を聞いてみた。
(つづく)
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