福岡県八女市(三田村統之市長)が発注する公共事業で、98%から100%という驚異的な落札率が続出している。事実関係について八女市の担当課職員に話を聞いた。
しかし、応対してくれた職員らは、取材班が提示した昨年4月から今年2月までの八女市発注工事136件の落札率データに声も出ない。落札率100%が10件、99%台25件、98%台26件、97%台11件、96%台8件、95%が8件。落札率95%以上が88件で全体の65%を占めるという数字の前には職員でさえ不適切な実態を認めざるを得なかった。
積算価格が判明した時点で、その何%を予定価格にするのか分かっていれば100%の落札率は容易になる。市役所内部から工事に関する数字が漏れているとしか思えない。その点を職員に質してみたが、明確に否定することはできなかった。
企業努力で積算価格を知ることができても、予定価格を導き出す掛け目が分からなければ100%もしくはそれに近い入札金額ははじき出せない。積算価格、掛け目を事前に知っていれば、「予定価格」そのものを教えることが可能だ。八女市役所の中でそれができるのは、一握りの人間でしかない。入札に関する数字を事前に漏らした場合は、競争入札妨害になる。八女市の場合、「そんなことはない」と否定するほうが難しい状況なのだ。
官製談合の疑いについて、調査が必要な状況であると考えられる。
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