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特別取材

明治屋産業VS海星ムサシ 生き残りをかけた激突はあるか?(2)
特別取材
2010年3月12日 08:00

~因縁浅からぬ間柄の両社~

<片や精肉特化型 片や鮮魚と2本立て>

 同じ組織出身の人材が集まっているだけあって、両社の営業展開は似たものになる。百貨店やスーパーのテナントによる店舗展開は両社とも同じ。また、惣菜に力を入れていることも共通している。しかし、海星ムサシの精肉の売上は全体の4割にしか過ぎない。鮮魚販売が精肉に匹敵する4割の売上を占めているのだ。もともと海星ムサシは、明治屋産業の鮮魚部門として立ち上げられた。屋号に「海」を入れるなど思い入れも強く、事業としても鮮魚が基幹部門となっている。

 事業部門の点では、明治屋産業の方が手広い。惣菜のほか、酒類販売、レストラン経営にも乗り出し、グループ企業にて精肉の卸売りも行なっている。しかし、一貫しているのは、いずれも精肉の需要を伸ばすための手段として手掛けていること。海星ムサシが手掛ける鮮魚やほかの生鮮への進出は、全く考えていない。京都市の藤井大丸地下で食品スーパー「タベルト」の営業を手掛けているが、小売への本格進出は「顧客の営業を阻害する」として、店舗展開する計画はない。

 両社とも、関連業種では苦戦を余儀なくされている。明治屋産業は今年1月10日をもって、イタリア料理店「ラ・マニーナ」のイニミニマニモ店を撤退した。昨年には東京・赤坂の飲食店も撤退しており、この部門は赤字となっている。飲食部門の売上13億円は全体の4%に過ぎないため全体への影響は小さいものの、肉の売上を伸ばす有効な手段にはなり得ていない。

海星ムサシの店舗 海星ムサシは、島根県松江市に生鮮&業務スーパー「エブリィ」を有する。これは、広島本拠の(株)エブリィのFC店舗である。明治屋産業のOBを含め、精肉販売業者が食品スーパーに進出して成功している例は少なくない。店舗展開に成功すればスーパーの売上に精肉の売上も伸ばせることから、そのメリットは大きい。この部門の拡大について、海星ムサシは「まずは松江を軌道に乗せてから」と慎重姿勢を示す。同店は出店して6年経過している。かつては筑紫郡那阿川町にて直営店を有していたが、こちらはすでに撤退している。業績開示はされていないが、店舗網をスピード拡大できる状況にはない。

(つづく)

【鹿島 譲二】


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