昨年、福岡県八女市(三田村統之市長)が計画していた「八女市町村会館」リニューアル工事の入札で、参加した大半の建設共同事業体(JV)が応札を辞退(1社のみ予定価格をはるかに上回る金額で応札し、失格)。入札が不成立となった後、計画が大幅に変更される過程で、数々の偽惑が存在することを詳報した。
背景には、前市長の衆院転出による市制トップの交代があった。前市長が採用していたのは「リファイン」と呼ばれる従来の建物の躯体を利用したリニューアル案。工事費が安くなるうえ、産業廃棄物の排出量を抑えるなど、画期的な手法として全国で取り入れられている。しかし、08年に新市長となった三田村統之氏は、再入札も行わずに、リファインを捨て「新築案」に変更する。工事費が億単位で上がったことは言うまでもない。案の定、取材で浮かび上がった計画変更への過程は、極めて不透明で、談合情報への対応や、素早い新築案への変更は、業者側の都合に合わせたとしか思えないものだった。
一般競争入札への参加資格についても県内業者から旧八女郡内の業者だけに限定するなど、恣意的な運用に疑惑の目が向けられたが、三田村市政は新築案を強行する。議会によるチェック機能も働いていない。
今年2月に行われた「新築案」による工事入札でも談合情報が寄せられ、市側が業者側から誓約書を取る騒ぎとなった。その今回の入札についても、早速県内の業者から疑問の声が上がっている。八女市長村会館工事への疑惑が再燃した。
(つづく)
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