リーマンショック以降、低迷を続けていた製造業にやっと明るさが見えてきた。日本国内の産業の多くは未だに浮上していないが、中国・台湾・韓国向けの半導体業界は活況だ。その影響で、国内の要素部品メーカーは欠品が続出。ユーザーや問屋はメーカーの生産上がりを首を長くして待っている状態。
そもそも、経済状態の悪化により、派遣社員などの製造ラインに携わる人員を大幅に削減したことは記憶に新しい。当時の状況を鑑みれば、人員削減を実施したことを責める訳にもいかないが― ここにきて、製造人員が不足しているのだろう。
ところが、昨年12月あたりから部品メーカーの受注は徐々に増加し始めた。今月に入ると猫の手も借りたいほどの忙しさだ。ある問屋の仕入担当者によれば、「6000番代の通常のベアリング、ボールねじ、センサーなどが著しく欠品している」。「入荷がいつになるかが分からず、困っている」とコメントしていた。
筆者の記憶では、2000年頃のITバブルを思い出す。当時も今回と同じように機械要素部品の欠品が続いたことがあり、工場へ生産工程の変更依頼によく行ったものだ。
(つづく)
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