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特別取材

再び羽ばたく若鷹軍団 常勝に向けた育成陣の取り組み(2)
特別取材
2010年3月23日 09:00

福岡ソフトバンクホークス(株)スカウト部長 小川一夫 氏
福岡ソフトバンクホークス(株) スカウト部長 小川 一夫 氏

<中期的な視点でチームを>

 ―秋山監督や王会長は、どのような方針ですか。

 小川 秋山監督は気遣いの人ですし、チームを預かるプレッシャーは相当なものだと思います。昨年は初めてのシーズンでしたが、勝つための野球を意識付ける1年だったように感じます。選手時代、彼は3割・30本・30盗塁のトリプルスリーを成し遂げたオールマイティな名選手でした。大胆さと緻密さを併せ持たずしてなし得ませんし、西武の黄金時代を支えた存在として緻密な野球を学んできた証でもあります。バントの多用が話題になりましたが、そこにも緻密な野球の一端が現れています。これまで大型化してきたホークスの野球だけに緻密さをプラスする作業は地道なものでしたが、1年をかけて浸透してきていますので、今年は成果が現れてくるはずです。
 また、選手達にとって王会長の存在は精神的にも大きな支えになっていると思います。あの方の常に高みを追い求める姿勢は素晴らしいですし、巨人との頂上決戦を実現させたいとの思いも強く持っておられます。昨年日本一になった強い巨人と王会長のホークスが戦うことになれば、野球はますます盛り上がっていくでしょう。

 ―組織としてのバックアップ体制はどうですか。

 小川 2008年1月から、福岡ソフトバンクホークス(株)と福岡ソフトバンクホークスマーケティング(株)との融合が進められてきましたが、その一環として、今年から「編成・育成部」が新設されることになりました。編成・育成・補強について一貫した方針を打ち出せるような組織体制になったことと、中期的な視点からチームを作っていく方針が打ち出されたことがポイントです。というのも、これまでは逆指名制度で良い選手が取れていたのですが、制度の廃止で反動が出てきていたという事情があります。板場の腕も大事ですが、素材がなければ美味しい料理はできません。そう意味では、スカウトは重要なポジションです。海外担当の部門では、とくに台湾や韓国での情報網作りに力を入れています。

(つづく)

【文・構成:田口 芳州】


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