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特別取材

再び羽ばたく若鷹軍団 常勝に向けた育成陣の取り組み(3)
特別取材
2010年3月24日 08:00

福岡ソフトバンクホークス(株)スカウト部長 小川一夫 氏
福岡ソフトバンクホークス(株) スカウト部長 小川 一夫 氏

<体系だった人材教育を>

 ―昨今のスカウト事情に変化はありますか。

 小川 若者の内なる部分を見るのがプロのスカウトの目なのですが、今の子どもたちは非常に難しい環境に置かれているせいか、20年前の子どもたちに備わっていたものを備えていません。たとえば、「プロ意識」という問題があります。プロの世界はトレーニングや体調管理で厳しく自分を律する必要がありますが、プロとしての意識を持っていれば実際はそれほど難しくありません。プロ意識がある子にプロとしての環境を与えれば、あとは自分で育っていくのです。以前なら優秀な野球少年のなかには、すでにプロ意識を持った子がおり、スカウトとしてもそこを見極めれば良かったのですが、今の子どもたちにそのような意識はありません。現実問題、そのままでスカウトの目に適う人材は皆無という状況です。

 ―とすれば、人材教育の必要性が高まりますね。

 小川 はい。そうは言っても連れて来なければ育たないのですから、次はどうやって育てるかを真剣に考えなければなりません。「身体を作れ」と指示したのに、「やらないあいつは駄目だ」とのやり方では上手くいきません。これだけの運動量と身体作りに回すエネルギーを得るためにはこの程度の食事量が必要だ、と言うように具体的に教え込んでいくのです。
 そうなると、教える側にも体系だった知識や説得力が必要になってきます。世界一の野球大国キューバには指導者養成学校があり、そこでは技術だけではなく、心理学や栄養学を学びます。卒業生は少年野球チームの監督から出発し、最後はナショナルチームの監督に至るというように、完全に理論化・体系化された野球指導を行なっているのです。すでに多くを取り入れていますが、学ぶべきところはまだまだ少なくありません。理由が明快だから選手も指示に従いますし、そのなかで徐々に意識を根付かせていくわけです。

 ―今年は間違いなくいけそうですね。

 小川 お叱りもご批判もホークスに関心あってのことですから、非常に恵まれたありがたい環境です。今年の10月は、ドーム周辺が賑やかになることをご期待いただいて良いと思います。

(了)

【文・構成:田口 芳州】


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