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特別取材

景気低迷時の今、外食産業はどう戦うべきか(2)
特別取材
2010年3月29日 08:00

<独自路線を貫く「餃子の王将」の強さ>

 外食各社の模索ぶりを尻目に、2010年3月期は対前年比で10%以上の客数増を誇るのが「王将フードサービス」。この勢いに乗って今期は32店舗の展開と、快進撃は止まりそうにない。100329_gaisyoku02.jpg
 これに続く「ハイディ日高」は、10年2月期には売上が対前年比15%増の230億円。さらに、地元福岡の「力の源カンパニー」や「ジー・ネットワークス」が好調に推移している。これらに共通するのは、ラーメンや餃子など中華系業態に特化した企業だということである。
 外食業界ではその理由として、「すかいらーく」の「バーミヤン」からお客を呼び込んだとの意見が支配的だ。しかし、味や価格といった商品の力、清潔で活気あふれる店舗やテキパキしたオペレーションなど、大手企業には出せない個性が優位性となっている点も見逃せない。
 同じ中華様態でも、リンガーハットはここ数年不振が続く。国産野菜の使用などで巻き返しを図ろうとしているが、はっきりした効果が出せていないのはバーミヤンと同じだ。
 好調店は、中華鍋を使用したプロによる手作りの料理や、決して味で妥協しない商品がお客の圧倒的な支持を得ている。さらに、調理スタッフもきちんと研修を受けた後、日々自らが技術の向上を怠らない点も好調の理由と言えそうだ。
 もはや全国チェーン的な効率性や紋切り型のオペレーションでは、商品力の向上はもちろん、個々のスタッフのスキルアップは望めなくなってきているのである。

(つづく)

【釼 英雄】


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