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上海最先端レポート

上海・崇明島、都市開発最新レポート(1)~拡大し続ける巨大島
上海最先端レポート
2010年3月29日 16:00

 「長江(揚子江)の砂が流れるところまでが中国の領土である」

 我々日本人にとっては理解し難いが、この認識は、中国人の間で常識的なものとして共有されている。その考え方の根拠を見えるかたちで示してくれるのが、揚子江の河口に位置する上海市の崇明島(すうめいとう)である。

上海・崇明島地図

 崇明島、長興島、横沙島からなる崇明三島は、長江に流れる土砂が堆積して生まれた。島の原型が出現したのは、唐の時代の武徳元年(618年)。総面積は2006年の時点で1,411平方キロ。崇明島のみでも約1,225平方キロと、沖縄本島(約1,200平方キロ)よりも大きい。
 驚くべきことに、この崇明島は、今なお長江の土砂が堆積し、拡大を続けている。1年あたり13平方キロ(1300ha)も広がっているという説もある。ちなみに甲子園球場の広さは1.3ha。上海の人は口を揃えて「近い将来、島の北西部が江蘇省につながる(地図参照)」と話しているが、さもありなんといった感じだ。

 02年5月、上海市第8次党代表大会で崇明三島の開発に関する提案が行なわれた。その内容では、上海市において崇明島が、農業、環境保全及び観光事業において重要な役割を与えている。そして現在、2020年までの開発計画に基づき、三島の開発が進められているのである。

 09年10月末、崇明島と長興島を結ぶ上海長江大橋、長興島と上海を結ぶ上海長江トンネルが完成し、崇明三島の開発は加速的に進み始めた。今回、現地を視察し、その現状を取材してきた。次回より、写真とともに開発の状況をレポートしていく。

(つづく)

【山下 康太】


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