そごうは2000年7月12日に経営破綻している。その前年にそごうは70近い取引銀行に対して、(1)短期借入金の継続 (2)長期借入金はプロラタ返済 の申し出をしていたが、2000年に入ると借入金全額の返済猶予を各金融機関に申し出ている。それでもメインに日本興業銀行がついており何とか面倒を見るだろうとの空気が漂っていたが、その年の3月の決算を控え、一部の地銀はそごうの格付を急遽「要注意先」から「破綻懸念先」に格下げして50%以上の貸倒引当金を株式売却益で積み増したと言われている。
4月以降そごうの経営悪化が新聞紙上報じられるようになったが、その年の7月12日に民事再生を申請した。その理由は銀行の決算は3月であり、株主総会前の6月に倒産すれば、後発事象で3月決算の修正を余儀なくされるだけでなく、引き当てを積むと赤字に転落する銀行が続発し金融危機が再発する恐れがあった。7月に入っての破綻は、それを回避するための絶妙のタイミングであったと言われている。
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