2009年10月31日の上海長江大橋、上海長江トンネルの開通まで、上海市に属しながらも都心部の開発からとり残されていた崇明三島。開発が進む現在においても、小作農家が住民の大半だった頃の様相が残っている(写真1参照)。
農業と自然環境保護及び観光事業を重視する開発計画に基づき、崇明島にあった工場は全て他所へ移設された。一方の長興島には、中国最大の造船所「中船江南長興造船基地」(江南造船廠が移転)、物流の拠点となる港湾設備が整っている。開発計画は、島ごとの明確なビジョンに基づき進行している。
崇明島の主な農産物は、トウモロコシ、サトウキビ、イモ、スイカなど。畜産物としてヤギ(各農家で2~3頭飼育)、特に有名なのは上海蟹の稚魚の養殖である。こうした旧来の農産業が大規模農業へと転換している。
写真2は、上海市の指導により09年5月25日に開設された、約920ha(13,851亩)の大農場。5月まで麦を栽培し、それ以降は稲作という二毛作が行なわれている。
写真3は、アスパラガスを生産するビニールハウス。ハウスは竹で組まれており、燃料を焚かずに室内は十分な温室効果を得られていた。
【山下 康太】
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