福岡県議会において、「費用弁償」の名目で支出される金額は年間約１億円。はじき出された額に唖然とさせられるが、県議会側に反省の姿勢は見られない。

　「福岡県議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例」によれば、費用弁償は、委員会視察の「日当」が１日19,200円。県議会本会議や委員会への出席に係る「応召旅費」が１日10,000円から20,000円（県議の居住地によって10,000円、14,000円、17,000円、20,000円に分かれる）となっている。こうしたカネはすべて非課税とされ、余った額は県議の懐に入る。
　福岡市内在住の県議が、自宅と県庁を往復して10,000円もかかるわけがない。その他の地域についても同様だ。是正への動きを見せない県議会に対し、厳しい視線が向けられている。

　さらに、県議会への情報公開請求で入手した文書からは、観光目的としか言いようのない旅行や、高級ホテル使用、さらには日当を管理する「裏口座」の存在があぶり出された。原資は全て税金である。

　県議会の費用弁償についての取材を通じて改めて感じたのは、議員報酬を受け取ったうえ、年間100万円前後の非課税のカネを手にして平然としている県議に、行政をチェックする資格があるのかという素朴な疑問である。

　公費支出のあり方が問われている今日、政治家の姿勢にもしっかりと目を向けるべきなのだろう。

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