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企業、人 再生シリーズ

黒木透・再生への道(45)
企業、人 再生シリーズ
2010年3月31日 10:42

<銀行と両輪で事業を拡大>

 上場して以降、ディックスクロキは成長を続けていった。各期増収増益を重ね、組織としての成長もなされていった。組織がレベルアップされていくごとに黒木の役割も自然と変化していった。

 これまでのように一つひとつの物件で指揮が執れないほどの受注量になったのである。逆に言うと、黒木自身が手を施すこともなく、通常の業務は社員と役員でこなすことができるようになったのだ。黒木の主な仕事はマーケティングをして、時流を見定めることと、戦略を練ることになった。

 黒木の周辺でも変化が起こっていた。これまではホスト役として関係者を招く側だったのが、いろいろな場に呼ばれて出席する側に変わったのである。連日連夜、さまざまな酒席が用意され、ゲストとして黒木が呼ばれるようになった。

 銀行との付き合い方も公開して以来、変化が見られるようになる。これまで貸し渋っていた銀行が言い寄ってくるようになり、融資が降りやすくなったのだ。これは株式を公開したことよりも、株式公開に伴うディスクロージャー(情報公開)が役立ったのだろうと黒木は言う。
 「決算をごまかしたり、背任横領したりということがないと、はっきり示すことが公開企業の義務ですから。銀行側は1円単位で他行の融資状況が把握できます。それにより財務状態がはっきりしたことが融資をやりやすくしてくれたのだと思います。一方で、大きなプロジェクトに取り組むことが増えましたから、融資がなくてはならないものになっていました。銀行とは本当の意味で自転車の両輪のような関係が築かれました」

 銀行からの融資に必要なことは物件の出口部分だけだったと語る。売り先さえしっかりしていれば、事業計画を元に融資がおりた。そのお陰で大きな案件にも取り組むことができ、会社はレバレッジ(てこの原理)で成長することができたのである。

 2000年ごろは、山一證券が破たんして以来続いていた貸し渋りがひと段落し、銀行が優良な融資先を求めていたことも黒木にとって追い風となった。やっていることは以前と変わらずコンサルタント、建設、管理なのだが、物件の数と大きさが増していき、結果として増収増益を重ねていたのである。

(つづく)

【柳 茂嘉】


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