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特別取材

景気低迷時の今、外食産業はどう戦うべきか(4)
特別取材
2010年3月31日 08:00

各社の戦略から生き残り策を考える

<均一価格で急成長する居酒屋>

 2009年の夏頃から関東や関西などの都市部を中心に急成長しているのが、均一料金の業態である。「金の蔵Jr.」や「鳥貴族」は1品300円以下の低料金で、店舗展開に弾みをつけている。
 景気低迷でデフレは進行するなかでも、1品あたりの価格が分かれば、お客にとってはいくら飲み食いしたかが計算しやすく安心できる。こうした顧客心理をうまくとらえた業態は、景気が回復しない限り今後も好調に推移し、100円ショップのように市場を開拓していくのは間違いないだろう。「金の蔵Jr.」の低料金戦略はたちまち全国に波及
 昨年秋、外食業界誌の編集者にこうした傾向の九州における動向をたずねられ、そのときはまだ「顕著な動きはないと答えた」。だが、忘年会シーズン以降は福岡でも大手や地場を問わず居酒屋が均一料金を打ち出し、一気にトレンドになってきている。
 ただ、いくら低価格だからといっても、いかにも冷凍ものの加工では、すぐにお客に見透かされ、客離れを起こすのは目に見ている。100円ショップのように、価格に対する価値が同等、もしくはそれ以上の場合にお客は財布の紐を緩めるのである。
 まずは事前に徹底したメニューの開発を進め、それに対する原材料コストや人件費の計算、仕入れの改革、初期投資の見直しなど、綿密な計画のもとで業態を開発しなければ、大手との競争に巻き込まれて撤退を余儀なくされるのがオチである。

(つづく)

【釼 英雄】


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