地場人材派遣会社A社は、自動車産業の派遣実績の落ち込みに頭を抱えている。リーマンショック後にジワジワと回復していた派遣実績が、トヨタ問題の発覚で再び沈んでしまったからだ。
「裾野の広さを含めてトヨタの影響力は凄まじい」という同社によると、問題発覚後に就労時間短縮などの措置により実績が落ち込んでいるという。公聴会を経て大きな動きはないが、今後のさらなる落ち込みを懸念している。「まとまった人数の派遣依頼がある。こんなありがたい業界は他にない」という。従って「短期間に派遣者数が乱高下してしまうと事業計画の立てようがない」と頭を抱えているのだ。その一方で、「ユーザー視点から見てもトヨタはナンバーワン」とゆるぎない評価を強調しているが、今後、自動車産業との取引拡大は慎重にならざるを得ない。悩みの深さが神話崩壊の危機を示している。
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