西鉄とJRの二日市駅からほど近い筑紫野市二日市中央通り商店街に10日、「バリュー二日市ゑびす市場」がオープンした。九州最大規模のボランタリーチェーンである(株)スーパーバリュー九州本部の101店目となる。
創業63年の業歴を誇り昨年3月にやむなく閉店していた(株)武石百貨店(武石理恵社長)をリニューアルし、一般食品、生鮮食品、生産者直売品、地元商店街・商店の4つのコーナーがコラボレートした全国でも初めての形態として生まれ変わった。青果、精肉、鮮魚、和洋・中華惣菜&食品の総勢50テナントのうち14は地元商店街からの出店、従業員も地元の人を採用するなど地域密着の運営を行なっているという。
朝9時のオープン時には季節はずれの大雪に見舞われ、出足は今ひとつだったが、徐々に来客数が増え、昼前には売場に人が溢れていた。入店した瞬間、威勢の良い掛け声が響き渡る店内。昔ながらの商店街のにぎわいを店内に再現したという「おかげ横丁」には、お年寄りが多く見られた。
きょう(10日)は精肉テナントに入店しているミートランドさかもとが国産和牛5割引セール(14日まで)を行ない、惣菜・弁当コーナーでは元西鉄グランドホテルのシェフで洋食の鉄人と称される青野清彦氏が来店し、名物の海老クリーミーコロッケを作っている。
「紆余曲折ありましたが、なんとかオープンにこぎつけました。地元の方々の参加も頂き、本当に嬉しく思います」と語るのはスーパーバリュー九州本部の大道社長。この商店街は駅には近いものの、スーパーは少し距離があり、お年寄りをはじめとした近隣の人たちにとっては不便な地域であった。「今後は宅配なども含めて、買物に困っている方々のために当店が何ができるかも検討していきたいと思っています。私の中では(今回の店舗は)7、8割の出来栄えですが、これから10割を目指して進化していきたいと思っております。また、今日という日を迎える事ができたのも武石百貨店が60年間地元でお世話になった歴史があってのことなので、これから街(地元)にご恩返しをしていきたいです」と大道社長は語った。一般食品、生鮮食品を取り扱うスーパーマーケットの機能に加え、生産者直売品や地元商店街らが出品という形で参加する形態は全国でもほとんど例がないという。スーパーバリューグループの全国初の地域密着の試みが、停滞した商店街の活気を取り戻せるかに注目が集まる。
【矢野寛之】
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