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特別取材

景気低迷時の今、外食産業はどう戦うべきか(5)
特別取材
2010年4月 1日 08:00

各社の戦略から生き残り策を考える

<大手間で激戦化のコーヒー業態>

 特別なノウハウを必要とせず、調理免許も必要ないものと言えば、コーヒー業態である。外食産業のなかではこちらも参入障壁が低いことと、折からのカフェブームにより、個人、企業を問わずに新規オープンが後を絶たず、外食の新たな市場を開拓しそうな状況にある。
外資と大手、個人が入り乱れて激化するコーヒー戦争。老舗のアートコーヒーは店舗を他社に売却 とくに積極的な出店攻勢に出ているのが、外食大手だ。ミスタードーナツはスターバックスなどのプレミアコーヒーに対抗して、価格を維持したまま増量させたり、品質を上げたりと工夫を凝らして市場の開拓を進める。意外にもこれまで目をつけていなかった商品――コーヒーへの注力を行なったかたちだ。
 さらに都市型業態として、「カフェアンドナンド」を渋谷や汐留、横浜などに5店舗を展開。都市部で働くビジネスマンやOLなどの市場にスポットを当てて、開拓を急ぐ。マクドナルドは米国で開発された「マックカフェ」の展開を進め、「時間限定でのコーヒー無料」といったサービスで早期の市場定着を目論む。
 しかし、2001年から展開した「マックカフェ&スナック」は東京に次いで2号店を「筑紫野とうきゅう」に出店したが、失敗に終わった。老舗専門店のアートコーヒーでさえ、「アートカフェ」35店舗をゼンショーに売却する羽目になっている。
 街なかでは老舗の純喫茶が廃業する一方、新たなカフェのオープンは相次ぐ。新規オープンのカフェはどこも賑わっているが、店舗が増えていけば今後の競争激化は否めない。

(つづく)

【釼 英雄】


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