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「なさけ有馬の水天宮」はどこへ 神社界に起こりつつある異変(下)
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2010年4月 2日 08:00

<狂い始める神社世界>

 新宮司の「もともと有馬家の神社」というところに水天宮変心のカギがありそうだが、それでいえば大阪府東大阪市の石切剣箭(いしきりつるぎや)神社でも異変が起きている。大阪府下では住吉大社ほどの知名度はないが、起源は神武天皇の代という由緒ある神社として知られ、いまは「石切さん」として親しまれている。
 「宮司以下の神職(神主)、巫女、職員らにパート、バイトを含めれば総勢40~50人の所帯ですが、神社を仕切る宮司一家と神職がまたトラブルになっているようです。あそこは神職の出入りが頻繁なんです」(近所住民)。
 住民や商店会の話によれば、以前から同様のケースがたびたびあって辞めざるを得なくなった神職はもとより、なぜか出戻ってきた神職もいるという。
 「石切は収益事業も手広くやっていますが、すべてを牛耳っているのは亡くなった先代管長の奥さんと娘、娘婿の宮司という家族三人。中小企業のオーナー家族と同じで、宗教法人としての社会的立場を忘れ、神社すべてが自分のものという意識で運営したがる。それに異を唱えるような人は排除したくなるんでしょう」(同神社OB)。
 昨年、東京・赤坂の山王日枝神社で起きた巫女暴行事件は論外だが、神社世界、とりわけ伝統、知名度があり、財政的に豊かなところで何かが狂い始めている。宗教法人には駐車場や学校、墓園など各種収益事業が認められ、一般企業より税率がはるかに優遇されている。
 しかし、宗教団体が営利に走り始めるとおかしくなるもの。民主党政権も「宗教法人とカネ」の問題に本気で取り組めば支持率上昇間違いなしだが、党首が『脱税王』と揶揄されたのでは無理というものか。

(了)

恩田 勝亘【おんだ・かつのぶ】
1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない―舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』(七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)など。


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