08年10月に「高島屋」と阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オーリティリングは、11年度中の統合を発表して、大手百貨店グループは(1)高島屋+H2O(阪急阪神百貨店)、(2)三越伊勢丹HD、(3)Jフロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)、(4)そごう・西武 の4グループに集約される予定であった。
しかし3月25日、高島屋とエイチ・ツー・オーリティリングは、経営統合方針を白紙撤回すると発表した。消費が冷え込むなかで規模拡大の利点がお互いに見出せなかったと破談の理由を語っているが、合併による規模拡大が生き残りの道でないとなれば、百貨店業界を取り巻く環境が如何に激変しているかを物語っている。高島屋との経営統合を睨んで来年春開業のJR博多駅ビル「JR博多シティ」にオープン予定の「博多阪急(仮称)の出店には影響はないとしているが、地元関西での地盤を固める戦略を優先しての破談であり、博多進出に暗い影を投げかけることになるのかもしれない。いずれにせよ天神地区と博多駅周辺との商圏の覇を賭けた戦いが始まる。
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