崇明島の無農薬・有機栽培による農作物が、島内における販売はもちろんのこと、上海市においても地域ブランドとして支持を得ている。市場では、他の野菜の3倍ほどの値段で取引されることもあるという。また、崇明島の農作物を素材にした郷土料理も人気だ。
崇明島中央北部に位置する『前衛村』は、村全体が宿泊施設・レストラン街と化し、多くの観光客で賑わっている。昔からあった農家の建物を利用し、1階はレストラン、2階より上を宿泊部屋(1泊50~60元)、日本で言うところの民宿といった感じだ。
旧来の建物を保存し、内装だけを変え、レストランや土産物屋に利用するのは中国政府が奨励している取り組みだ。上海市内では、豫園(黄浦区)、七宝(閔行区)など、地区全体で昔の建物を保護(建て直しや外観の改装を禁止)している。住民には、別に新たな住居を市が用意し、そこで商売を行なっている経営者や従業員が現在、居住していることもある。崇明島ではほかに、大農場開設に伴い移転を余儀なくされた小作農家のための新築住居の建設も進んでいる。
【山下 康太】
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