地場広告代理店のA社。同社は求人広告のほか、パンフレットなどの制作を手掛けている。しかし、昨年春以降は仕事が激減したという。現在は若干回復基調にあるというが、「新しいジャンルの顧客を開拓していなければ、既に潰れていた」というように求人をはじめとした広告出稿の減少が経営にも少なからず影響したようだ。
また、ある代理店B社は、最近、通販会社のTVCMを手掛けた。しかし、B社はそれまでに通販分野の広告戦略を手掛けた経験が少なかったため、顧客にはTVCMを中心に提案、実施した。その通販会社の知名度が低かったこともあり広告効果はいまひとつだったという。別の通販企業の元幹部は「無名に近い会社がそんな手法で注文の電話を得られるはずがない。広告会社が通販を心得ていないからですよ」と通販ビジネスの広告戦略の難しさと指摘する。広告業界は以前と厳しい状況であるが、顧客の手掛けるビジネスの裏の裏まで知り尽くさなければ広告業界でも生き残ることはできない。
【宮野 秀夫】
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