北九州地区の名門企業で代表交代が行なわれる模様だ。同社は創業100年を超える老舗企業で、同社を中心にした企業グループを形成している。
現在の経営者は同社の株主であり、いわゆるオーナー企業だ。名門として名を馳せた同社だったが、近年はお家騒動や新規事業の失敗といった暗い話が多かった。事業失敗の責任を取る形で、現代表は同社の経営から退き、グループ会社の社長として活動することになる。
代表交代には、銀行主導でリストラが進められたという背景があるようだ。新規事業の拡大に伴い銀行への依存が高まり、最終的に経営の主導権を銀行に握られた格好だ。兼ねてから同社には銀行折衝ができる人材の不足が指摘されていたが、その危惧が現実のものとなった。現代表は株主としての地位には留まるが、この流れではその地位も揺るぎかねない。同社の経営権が完全に銀行に奪われる可能性も否定できないだろう。
【緒方克美】
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