<当初より低調な体質>
(株)メン・テックは主に、ビル・商業施設などの総合改修工事やマンションなどのリノベーションを手掛け、建築工事主体とした事業展開を行なっていた。なかでも、同社が得意とした分野は防水・塗装工事であり、受注の大部分を占めていた。純粋な建築工事は全体の5%に満たなかったとされるが、同社では工事別に分類せず「総合改修建築工事」のイメージを保つために、防水・塗装を主体としつつも建築工事の確立を目指していた。
創業してから法人化を果たす頃までは、ビル・マンションや商業施設の大規模改修工事の需要が高かったこともあり、赤字にならない程度の業績を残すことができていた。しかし、安値受注体質であったことや粗雑な工事が頻発していたこともあり、総じて収益面は低調に推移していった。
<コンサルタント業者と契約締結>
08年に起こった米国に端を発した不動産危機の影響などにより、その後マンション業界全体の業績は大きく後退していった。ご多分に漏れず、同社もその影響を受けることになる。従来からの厳しい資金繰りに加え、工事の受注単価もしだいに下がりはじめたことで、厳しさにさらに拍車がかかる事態となった。
08年10月、同社は立て直しを図るため、主力金融機関の勧めもあってセーフティネットの貸付を申し込み、約5,000万円の借入を受けた。しかし、勧めた金融機関によって入金後すべて貸し剥がされたことで、運転資金の目算が狂ってしまう。このため、自力での立て直しが困難となってしまう。
そこで、同年12月にコンサルタント業者とコンサルティング契約を締結し、金融機関との返済猶予の交渉および外注費、社会保険料などの支払条件変更など、経営再建に向けた立て直しを行なっていた。
【道山 憲一】
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