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【倒産を追う】(株)メン・テック 冷え込む市況に耐え切れず破綻へ(下)
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2010年4月 9日 08:00

<不調に終わった立て直し コンサルが裏目に>

 しかし、順当に経営再建の道を歩み始めたと思われた矢先、同コンサルタント業者に紹介されて仕入れた材料が粗悪品だったことで、工事を何度もやり直さなければならない現場が出てきた。この影響により、窮屈だった資金繰りはさらに悪化。同社の風評もますます厳しくなり、業者間でも「受注を安値で請けており、品質も良くないらしい」との声が聞かれるようになった。
 この件に関して、同社もただ手をこまねいていたわけではない。現状の打開策として、仕入先を紹介したコンサルタント業者の立会いのもと、09年10月9日に外注費未払い分についての支払説明会を開催した。
 しかし、この時点で行なわれた説明会は、結果的に火に油を注ぐかたちとなってしまった。同社の状況を改めて知った業者らはすぐに手を打ち始め、早急に手を引く業者や工事代金を減額して入金する発注者などが現れた。さらに追い討ちをかけるように、信頼していた総務関係の社員と連絡が取れない状況となり、内部からの崩壊も始まった。11月に入る頃には手持ち工事の完了のメドが立たなくなり、もはや経営を持続できる状況ではなくなっていた。

<計画性のなさが 負の悪循環を産んだ>

 最終手段として許斐代表はノンバンクなどからの借入も試みたようだが、すべて断られている。そうした状況のなか、09年11月30日の手形を決済することができず、同社の丸8年におよぶ事業の歴史に幕を下ろすこととなった。
 過去に行なった取材においても許斐代表は、決算書に関しての質問に対して「経理がうまく決算書を理解していなかったので、最後にツジツマを合わせた格好の決算書となった」と、他人任せのドンブリ勘定だったことを認めていた。
 今回の破綻に至るまでの経緯を追っても、同業者からは「とにかく無茶な受注金額を提示していた」、「粗い工事を行なっている印象しかない」といったコメントが多かったのは事実。同社は、発足時においても見切り発車を公言しているように、経営判断をそのつど見誤っていたのではないかと感じられる。そのため、負の悪循環に陥る事態となっていったのも早かったのではないだろうか。
 過去に許斐代表は、「この業界は社員教育に力を入れていなかったことが、お客の信頼を損なってきた部分がある」と業界の問題点について話していたことがある。今にして思えば、これは同氏自身のことを指し示していたのではないだろうか。

(了)

【道山 憲一】


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