11日、任期満了による朝倉市長選挙が告知された。立候補したのは、元朝倉副市長の井上隆昭氏(62)、元朝倉市議の実藤輝夫氏(62)、元福岡県議の森田俊介氏(57)の3名。いずれも無所属新人である。各候補者陣営とも本格始動し、選挙戦は激しさを増している。そのなかで今回の選挙に対し、市民のなかで投票へ行くことを呼びかける文書が出回っていることが分かった。
その文書は、特定候補者の名前をあげ支持を呼びかけるものではない。選挙は「自分の意思を示す場」とし、「全市民の皆さんが投票へ行くことが市民としての権利であり、責任である」と訴えかけている。また、「一部の企業を裕福にするより、市民を裕福に出来る人」「一部の市民とではなく、市民であればどんな人でもディスカッションが出来る人」を市長にふさわしいとし、「地盤・看板・鞄にとらわれず、自分の心眼で候補者を見ること」が重要であるとしている。
文書の文面にあるように、有権者の義務として投票へ行くことも大事だが、同時に投票の"質"を高めることも大事である。有権者ひとりひとりが自分の目と耳で、それぞれの立候補者をしっかりと品定めして選択しなければならない。
見た目の良さや名前の響き、誰かの要請で入れられた票で代表者が選ばれ続けるようでは、日本の民主主義は終わりである。有権者の質が低いと政治家の質も下がり、政治活動の質も下がる。自分のブログで昼食べたメニューや旅行記ばかりをつづるアイドル気取りの政治家がいる。正式に支持・推薦をするわけでもなく、ただ「政策が近いから」だけの理由で来賓として参加し、ひと言あいさつをするだけ。"他人のふんどし"で、あわよくば自分の顔を売ろうとする政治家もいる。政治家なら政策で支持を得るべきだ。
朝倉市民の間に投票所へ行くことを呼びかける声が起きているのは、選挙への関心が高まっていることの表れとも言える。朝倉市長選挙の投開票日は18日。市民がどのような決断を下すのか、注目したい。
【山下 康太】
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