福岡県は、玄界灘で海砂採取を行っている「博多海砂採取協業組合」に弱みでも握られているのだろうか。同組合を庇う県の姿勢には呆れるばかりだ。
同組合と「博多海砂販売組合」(両組合の構成企業は福岡市内の同じ11の業者)が、「自由民主党福岡県福岡市早良区第4支部」に対し、2004年から毎年それぞれ50万ずつを寄附していたことが判明。「中小企業等協同組合法」の第5条が禁じる<組合の政治利用>にあたるのではないかとの疑いが生じた。
脱税の容疑で福岡国税局から佐賀地検に告発された「唐津湾海区砂採取協同組合」が、佐賀県内の自民党支部に献金していたことから、佐賀県が改善指導を行うとされる。しかし、この問題を所管する福岡県の中小企業経営金融課に聞いたところ、同法第5条の規定が曖昧なため、政治献金が「組合の政治利用」に当たるかどうか判断がつかず、経済産業省の出先である九州経済産業局と「協議」しているという。なんとも心もとない対応である。
博多海砂採取協業組合に海砂採取の許可を出しているのは福岡県だ。組合の違法行為を調べるのは、県庁全体としての義務。法令を十分に理解した上で、献金の目的などについて組合側に事情を確認しなければ「政治利用か否か」の実態は解明されない。
ところが、県の担当課に博多海砂採取協業組合側を呼んで事情を聞いたのかどうか確認したところ、「呼ぶ必要がない」と断言した。「国との協議結果を待つ」のだという。県の海砂採取擁護の姿勢が鮮明になってきた。
やむなく、九州経済産業局に話を聞いた。
(つづく)
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