自治労県本部の政治団体「ふくおか21フォーラム」の収入の大半は、機関誌販売の事業収入である。平成18年には5,200万円。19年に2,150万円。20年に1,100万円を販売しているが、販売先は全て自治労県本部だ。「自治労による形を変えた政治資金提供であり、政治資金規正法が禁じている政治団体への寄附に当たるのではないか」と尋ねたが、自治労側は「適法に処理している」と回答している。
政治資金規正法は、(会社等の寄附の制限)について、第21条で次のように規定している(一部削除)。
《会社、労働組合、職員団体、その他の団体は、政党及び政治資金団体以外の者に対しては、政治活動に関する寄附をしてはならない》つまり、自治労福岡県本部は、自らが設立した政治団体「ふくおか21フォーラム」に対し、寄附をすることができないのである。
また、政党に対する寄附については、21条第の3(寄附の総額の制限)で、次のように規定している(一部省略の上、わかりやすくする)。
《政党及び政治資金団体に対してされる政治活動に関する寄附は、各年中において、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる額を超えることができない》
- 個人のする寄附 2,000万円
- 会社のする寄附は、会社の資本金の額又は出資の金額の区分に応じ
- 50億円以上の会社は3,000万円
- 10億円以上50億円未満の会社は500万円
- 10億円未満の会社は50万円
- 労働組合又は職員団体のする寄附は、労働組合の組合員又は職員団体の構成員の数の区分に応じ
- 10万人以上は3,000万円
- 5万人以上10万人未満は1,500万円
- 5万人未満は750万円
この規定に従えば、自治労側が民主党に寄附できる金額は750万円となる。自治労県本部に加盟する組合員数は29,000人前後とされ、組合員数5万人以下のケースに該当するからだ。
「民主党福岡県3区総支部」(支部長:藤田一枝衆院議員)に対する機関紙の購入や、「ふくおか21フォーラム」への機関誌購入は、こうした政治資金規正法の規定を骨抜きにするものと考える。
この点について、自治労県本部側は「誤解を招くものであれば、見直す」として是正への動きを見せている。
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