東京から、バブルの象徴と伝統文化の殿堂がなくなることになった。
「赤プリ」の愛称で親しまれてきた東京都千代田区紀尾井町にあるグランドプリンスホテル赤坂が2011年3月で閉館し、地上40階建ての新館と別館の建物自体がなくなることが分かった。同ホテルを運営する西武ホールディングスが28日に公表した。政・財界を含め一般にも広く利用されてきたが、競合による収益悪化のため閉館を決めたとされる。
国会や自民党本部などにほど近い同ホテルは、1955年10月に「赤坂プリンスホテル」として開業。80年代前半には、バブル期を代表するような華麗な外観を誇る新館を建設し、それまでの旧館と合わせて、都心の中心部である赤坂の象徴となっていた。
旧朝鮮王家の邸宅として建てられた旧館には、福田派→安倍派→三塚派→森派→町村派と、自民党旧福田派(清話会、現在は清話政策研究会)が事務所を置いてきたことで知られる。
一方、江戸文化の象徴である「歌舞伎座」(1951年開場)は、建て替えのために閉場が決まっており、30日には閉場式が行われる。グランドプリンスホテル赤坂の閉館が公表された28日には、現在の歌舞伎座では最後の公演となる「御名残四月大歌舞伎」が千秋楽を迎え、周辺には名残を惜しむファンらが詰めかけた。
東京から、それぞれの時代をや文化を象徴する建物が消えることになった。
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