政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は20日、事業仕分け第2弾の対象について、46の独立行政法人が行う151の事業にすることを決める見込みだ。
対象となる独法には国交省所管の「都市再生機構」(UR都市機構)や内閣府所管の「国民生活センター」などが含まれているが、文部科学省所管の独法が最も多く、14法人・53事業となっている。事業仕分け作業の3分の1以上が文科省関連で、第1弾で批判を浴びた科学技術関連予算について再び議論を巻き起こしそうだ。
最大の焦点は、今回の事業仕分けが、本当の「政治主導」で行なわれるかどうかだ。前回の作業は、準備段階から全てを財務省が取り仕切ったとされ、仕分け人用の台本が用意されていたとも言われる。国民向けのパフォーマンスとしては上々の出来だったが、財務省にとって都合の悪い予算を切るための道具にされたとの指摘は否定できない。官僚主導から政治主導への転換を訴えてきた民主党だが、やっていることは幼稚で、霞ヶ関に操られていると言っても過言ではない。仕分けの第2弾には、民主党所属の国会議員を90人以上投入する力の入れようだが、これまでの民主党の動きを見ていれば、官僚や独法の手練を相手に互角に戦えるとは思えない。
ある永田町の民主党関係者は次のように話す。「とにかく幼稚な発想の議員が多すぎる。自分の力で何かを動かそうとする姿勢に欠けている。何かあるたびに周囲の様子を窺い、人の力ばかりを頼ろうとする」。
内閣支持率や政党支持率を上向きに転じさせるには程遠い状況だが、せめて政治家としての自立だけは目指してもらいたい。そうでなければ「政治主導」との理想は実現できないからだ。なにより、衆院307の議席を無駄にしてはならない。
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