労働組合「自治労」の福岡県本部が、民主党・藤田一枝衆院議員(当選2回。福岡3区)を丸抱えにしていた問題について、政治資金提供の実態を検証する。
藤田議員が代表を務める「民主党福岡県第3区総支部」は、平成15年から同20年にかけて、自治労側から合計約2億円の政治資金提供を受けた。そのうち約1億3,000万円あまりは「機関紙誌の発行事業」による収入だった。中心となっているのは、民主党の機関紙「プレス民主」の販売だ。
民主党の機関紙「プレス民主」は、毎月第1・第3金曜日発行で、党員及び購入申し込み者に郵送されている。党員以外で定期購読する場合は、送料込みの年間購読料が3,000円となる。「号外」は、主として民主党の国会議員や地方議員が個人的な主張や活動を掲載するもので、印刷代などの作成経費も各議員が負担する。「後援会報」的なものと言っても過言ではない。文字通り年間購読分である通常号とは違い、一般家庭に「無料」で配布されている。政治家個人の宣伝に使用される以上、無料配布は当然だろう。
ところが、「民主党福岡県第3区総支部」の収支報告書に記載されている事業収入の大半は、「プレス民主」の「号外」によるものなのだ。平成18年の同支部の収支報告書の該当ページを見ていただきたい。
「藤田一枝ニュース」販売代の2,275万円がひと際目を引くが、同ニュースはプレス民主の号外なのだ。
自治労側は、通常なら無料で選挙区内に配布されるはずの「プレス民主・号外」を1,000万円単位で購入していたことになる。法外な対価である。
(つづく)
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