越海道路の開通以来、崇明島に訪れる観光客は増えている。彼らが訪れる観光スポットのひとつが『東灘湿地公園』だ。
以上の経緯を聞くと、公園ではいつも野生の鳥が観測できるかのようにも思える(公園内には観測される鳥の案内版がある)が、渡り鳥は時期的なものであり、常に鳥が観測できるわけではない。視察で訪れた時も、鳥の姿は見当たらなかった。
しかしながら、上海市から車で約1時間という近さもあり、観光客は後を絶たない。
「鳥ではなく、人の頭を見に行くようなものだ」。
地元の人のなかには、そう皮肉る者もいる。
そのようななかで、公園内にある崇明島住民のマーケット(「道の駅」のようなもの)が人気を集めている。そこでは主にサトウキビ、スイカ、イモ、卵といった農産物が売られている。島民が売り買いする時の3倍くらいの値段になっているが、売れ行きは好調のよう。話を聞けば、有機農法・無農薬野菜の『崇明島ブランド』が観光客に浸透しており、値をつり上げているという。
【山下 康太】
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