7日、朝倉市総合市民センターで、朝倉市長選挙(11日告示)の立候補予定者3名が参加する『2010みらい朝倉公開討論会』が開催された。主催は(社)朝倉青年会議所。
討論に参加したのは、元福岡県議会議員の森田俊介氏、前朝倉副市長の井上隆昭氏、前朝倉市議会議員の実藤輝夫氏の3名。討論は公開質問状をもとに行なわれた。経済、教育、雇用などの8つの質問項目に事前に回答を用意し、定められた制限時間(3分、捕捉説明1分)で臨む形式である。にもかかわらず、候補予定者のなかには、準備不足を指摘されても仕方がない答弁の不手際があり、傍聴した有権者からは批判する声が上がった。討論会終了後の取材で分かった。
森田氏は発言時に制限時間を超えることがあった。「話が途中で終わり、内容が分かりにくい」(40代女性・主婦)。井上氏はゆっくりとした口調で説明を行なってはいたが「方向性だけを述べるのみで、具体的な内容が見えてこない」(60代男性・自営業)という声があった。実藤氏については「比較的聞き取りやすく内容も具体的だった」(50代男性・会社員)と、評価する声があった。
会場には500名を超える有権者が訪れ、立候補予定者たちの主張に耳を傾けていた。有権者にとっては、次に選ぶ市長を検討する上で貴重な機会である。当然、各候補予定者とも入念な準備をして臨むのが当然だ。定められた時間内に発言が収まらない。また、「内容があいまい」といった声が有権者から上がるのは、選挙に臨む者の姿勢として反省を要するものではないだろうか。
討論会の最後、自由なテーマで発言できる機会が各候補予定者に与えられた。最初に発言した実藤氏は、財政を取り上げた。市税の落ち込みが県下ワーストとなっている厳しい財政状況を説明し、「自らを律し、市民と一体化した、市民目線の行財政改革」を行なうと述べた。2006年3月に1市2町が合併し朝倉市が誕生した以降に生じた地域格差を是正するために『地域振興課』の設置と、事業仕分けなどによる地域の特性を活かすための予算づくりを訴えた。
残る森田氏、井上氏も財政をテーマに発言した。
森田氏は「限られた予算のなかで施策の優先順位をつける」ことの重要性を強調し、それまでの答弁内容にもあった「決算後に行政評価を行ない、次期予算に反映させる」手法を強調した。
井上氏は「地域のいろんなイベント、活動を興すことで外から人を呼ぶ手法で朝倉市に活力を取り戻したい」と述べた。
偶然、最後に取り上げたテーマが重なった可能性もなきにしもあらず。しかし、それまでの答弁を踏まえると「先発した候補予定者に右にならえ」とした印象が残った。
*記事へのご意見はこちら