米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先として、社会党の照屋寛徳国対委員長をはじめ民主党の一部などから米自治領北マリアナ諸島のテニアン島を推す声が上がっている。現地を視察した照屋氏は、テニアンの市長や議長らが受け入れを容認しているのだという。
米側への意思確認もなく、否定的な意見ばかりだが、与党による移設先探しは「無責任」「無定見」としか言いようがない。鳩山首相のリーダーシップは地に堕ちてしまった。
普天間飛行場の移設を巡っては、これまで米軍キャンプ・シュワブ(名護市)陸上部案をはじめ大村、日出生台、グァム、徳之島など国内外の候補地が挙がっては消えた。候補地として取りざたされた自治体や住民の反発は言うまでもない。無責任な移設先選定は、鳩山首相の指導力のなさが原因だ。
ある国会関係者は、「鳩山さんには腹案などない。5月までに移設先を決めなければ責任を取るなどと、バカなことを言ってしまった。普天間はまとまらない」と断言した。すでに5月末までの解決は不可能との報道もなされており、参院選を前に、鳩山首相の政治生命が追い詰められた形だ。